「香ぃ、ベルトどっか知らねぇか？」参った、もう出ていかなければならない時間に限って これが無ければ画竜点睛を欠くというもの。「さぁ、あたしは見てないけど」答える声が明らかにいらついている。 判ってる、急がなければならないということは。 もうす…

ミューズと呼ばれるモデルたちがいる。 『芸術の女神』の呼び名そのままに 巨匠と呼ばれるデザイナーたちのイメージを 媒体やランウェイで忠実に再現する一方で 彼らのインスピレーションを刺激する存在。 例えばカール・ラガーフェルドにとっての イネス・…

お正月というのはいったいいつまでなんだろうか。 三が日が終われば世間はもう通常営業だし ７日までを松の内ということもある。 鏡開きもだいたいそれくらいだろうか。 でも、あたしにとって お正月が終わっちゃったなぁと思うのは どんど焼きでお飾りを火…

戦争は人の世に破壊だけをもたらすのかというと さにあらず、それによって科学技術が 飛躍的に発達したという側面もある。 例えば、俺の嫌いな飛行機や 香の苦手なコンピュータは それぞれ、第一次・第二次大戦で実用化されたものが 戦後、民間に活用される…

刑事はよれよれの服を着ていても 足元はいい靴を履いている、というのは いったいどこで聞いた話だろうか。 よく「捜査は足で稼げ」などという。 現場百遍、一日中その周辺を歩き回り または関係者に訊き込みに回ってと 刑事の仕事は足を使ってなんぼだ。 安…

最近、香がやけに冷たい。 理由だったら嫌というほど思いつく あちこちで飲んではツケを溜めてきたり そのくせ依頼を美人からじゃないといって断ったり。 そんなことは昔も今も変わらないのだが じゃあ何で今、あいつがやけに つんけんしているかといったら…