「あっ」表通りから一本入った、サエバアパートの非常階段が 面する狭い路地を、文字どおり燕尾服のような 尾羽を翻して、初夏を告げる鳥が颯爽と通り抜けた。 だがそれは、あたしにとってはそんな爽やかなだけの 光景ではなくて――「あーあ」後を追えば行き…
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